環境測定について

環境測定の実施

 当斎場では、火葬場の運営及び管理において、「火葬場から排出されるダイオキシン類削減対策指針(平成12年3月旧厚生省)」に基づき、ダイオキシン類削減対策を図ることを目的とし、作業上における安全衛生及び周辺環境への影響を未然に防止するために、ダイオキシン類の環境測定を実施しています。

ダイオキシン類とは

 平成11年7月16日に公布されたダイオキシン類対策特別措置法において、従来ダイオキシン類と呼ばれたポリ塩化ジベンゾーパラージオキシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)にコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)を加えて「ダイオキシン類」と定義している。
 これらは燃焼や化学物質製造の過程等で非意図的に生成され、燃焼排ガスや化学物質の不純物として環境中に排出される。
 ダイオキシン類の毒性は、異性体ごとに異なることから、異性体の中で最強の毒性を有する2,3,7,8-4塩化ジベンゾーパラージオキシン(2,3,7,8-TCDD)の毒性を1として、他の異性体の相対的な毒性を表す毒性等価係数(TEF)を用いて示している。
 また、ダイオキシン類の評価は、各異性体の毒性を足し合わせた値(毒性等量:TEQ)で評価される。

用語の解説

◆1ng(1ナノグラム)
 10億分の1グラムのこと。

◆TEQ
 「毒性等価換算濃度」のことで、ダイオキシン類は多数の異性体を含むことから、この中で最も毒性の強いものの毒性量に換算した濃度のこと。

◆/m3N(パー立法メートルノルマル)
 0℃で1気圧の空気1m3中にということ。

◆ppm(パーツパーミリオン)
 100万分の1を表す単位で、大気汚染の汚染物質の濃度を表す単位として使われる。例えば大気中二酸化炭素1ppmとは、1m3の大気中に1cm3の二酸化炭素が含まれていることを表す。

◆硫黄酸化物(SOx)
 硫黄酸化物とは硫黄の酸化物の総称であるが、大気汚染物質としての硫黄酸化物(SOx)は、これらのうち、二酸化硫黄(SO2:亜硫酸ガス)、三酸化硫黄(SO3:無水硫酸)などを指す。石油など硫黄分を含んだ燃料が燃焼して生じる汚染物質で、一般的に燃焼過程で発生する大部分が二酸化硫黄である。これは人の呼吸器に影響を与えたり、植物を枯らしたりする。硫黄酸化物のうち、二酸化硫黄には環境基準が定められている。

◆窒素酸化物(NOx)
 窒素酸化物とは窒素の酸化物の総称であるが、大気汚染物質としての窒素酸化物(NOx)は、これらのうち、一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)の混合物を指す。石油、ガスなど燃料の燃焼に伴って発生し、その発生源は、工場、自動車、家庭の厨房施設など多種多様である。燃焼の過程では、一酸化窒素として排出されるが、これが徐々に大気中の酸素と結びついて二酸化窒素となる。窒素酸化物は人の呼吸に影響を与えるだけでなく光化学スモッグの原因物質の一つである。環境基準は窒素酸化物のうち二酸化窒素について定められている。

令和4年度環境測定の結果

1.排出ガス(測定日:令和4年11月30日)

 ダイオキシン類及びコプラナーPCB類濃度(毒性等量)の測定結果と基準値の比較をすると、測定結果は1.2ng-TEQ/m3(N)であり、基準値の5ng-TEQ/m3(N)を下回っていました。
 また、その他の測定結果についても基準値を下回っており、排出ガスにおける環境への影響は見られませんでした。
 なお、主な測定項目の結果は、次のとおりです。

主な測定項目 単位 測定結果 基準値
ダイオキシン類 毒性等量 ng-TEQ/m3(N) 1.2 5 ※1
ばいじん濃度 酸素12%換算値 g/m3N 0.011 0.25 ※2
硫黄酸化物濃度 排出量 m3N/h 0.007 1.764 ※3
窒素酸化物濃度 酸素12%換算値 ppm 78 250 ※4
塩化水素濃度 酸素12%換算値 mg/m3N 16 700 ※5

基準値の根拠法令

※1 火葬場から排出されるダイオキシン類削減対策指針(平成12年3月旧厚生省)第3章の3.2「排出ガス濃度の指針値」

※2 昭和46年6月22日 大気汚染防止法施行規則別表第2

※3 昭和46年6月22日 大気汚染防止法施行規則別表第1

※4 昭和46年6月22日 大気汚染防止法施行規則別表第3の2他

※5 昭和46年6月22日 大気汚染防止法施行規則別表第3他